医療コラム

鼻血時が出た!病院へ急ぐその前に

町広報「まつまえ」24年12月号掲載

みなさんこんにちは。松前病院の吉野です。今年も残すところあと一ヶ月、みなさんはどんな一年だったでしょうか。来る新年に向けていろいろと多忙な時期ですが、同時に体調を崩しやすい時期でもあります。くれぐれもご無理なさらぬよう、お気を付け下さいね。
さて、今回は日頃よくお見かけする鼻血について書きたいと思います。

急に鼻血が出てしまったら、誰でもあわててしまいますよね。多くの方がまずティッシュを鼻に詰めるのではないでしょうか。ですがちょっと待って下さい。そのティッシュ、実は効いていないのです。

鼻血を止めるのに有効なのは、親指ともう一本の指で小鼻をしっかり押さえることです。血液さらさらのお薬を飲んでいたり、何らかの病気で出血しやすい状態でなければ、5~10分の圧迫で多くの場合止血されます。

のどの奥に血が流れて口から出てきてしまい、小鼻を押さえてもおさまらない場合は、出血の勢いが強いか血が止まりづらい場所である可能性があります。この場合は病院を受診して頂き、止血処置が必要になります。のどから流れてくる血は飲み込んでしまうと吐き気が出てしまうため、飲み込まずぺっぺと吐き出して下さい。病院に向かう途中も、しっかりと小鼻を押さえて頂けると勢いが弱まることを期待できます。

 病院ではどのような処置を行うかといいますと、まず鼻鏡という器具を使って出血の場所を確認します。そして出血の程度にもよりますが、血管を収縮させて血を止める薬を鼻にスプレーしたり、薬を含ませたガーゼを鼻の奥までしっかりと詰めて止血を行います。

ほとんどの場合これらの処置で鼻血は止まりますが、鼻の奥の奥からで非常に止血しにくい場合や、一旦止まっても短時間でくり返してしまう場合は耳鼻科での処置が必要なこともあります。

 実は、鼻血は冬に多く起こります。空気が乾燥していることや、鼻かぜが増えることによると言われています。鼻血が出てあわててしまったら、ティッシュの前にぜひ正しい止血法を試してみて下さい。

 もちろん、止まりづらい場合や繰り返してしまう時にはいつでも受診して下さいね。松前病院は年中無休です。

それではみなさん、良いお年を! 

内科部長 吉野 光晴