病気に対するちょっとした勘違い
みなさんこんにちは。松前病院の吉野です。
暑さもだいぶん過ぎ去って、いくらか過ごしやすくなってきましたね。さて今回は、私が実際によくお聞きする「ちょっとした勘違い」についてお話しします。
■「血圧が高い方が調子がいいんです」
こう仰る方が結構いらっしゃいます。150~160くらい高いほうが調子いいから、このままでいいんだ、と薬を飲んでいないとのこと。お気持ちは大変わかるのですが、長い目で見るとそのままの血圧でよいという事にはなりません。知らず知らずのうちに他の病気が進んでしまいます。ゆっくり時間をかけて正常の血圧に下げていき、体を慣らしていくことが必要です。もちろん、薬の副作用が出ている可能性があるので、調子が悪い様子をしっかりお聞かせ下さいね。
■「飲んだらお腹が下るから水分を控えてました」
胃腸炎などの際は、ご飯を食べても水分を取っても、お腹が下りっぱなしということはよくあります。これを、「水分を取るから水っぽい便が出る」と思っている方を時々お見かけします。ですがこれは全く逆で、お腹から出た分水分補給をしないと脱水になってしまうのです。
また、脱水のときにお水ばかり大量に取るとかえって体調が悪くなることがあります。商品名は出せませんが、脱水やお腹を壊したときに適した飲み物が薬局に売っていますので、ぜひ問い合わせてみて下さい。
■「かぜは点滴で治る?」
広く一般的に考えれられていると思われますが、実はこれには医学的根拠はありません。病院で普段している点滴は、純粋に水分補給のためと若干のカロリー補給に過ぎません。吐き気止めや痛み止め、抗生物質ほか特殊な治療薬を混ぜて治療を行うことがありますが、かぜに対してはすぐ治せるようなお薬はありません。
「点滴したら一発でかぜが治った!」と感じることがあります。それは、かぜに加えて実際に脱水症状があったか、点滴の効果を信じて受けることで調子が良くなったと強く感じてしまう(プラセボ効果といいます)のどちらかだと推測します。もちろん、かぜであっても水分や食事がとれない方には点滴は必要ですよ!
ほかにもいろいろあると思います。「これって勘違い?」と思うことがあったら気軽に相談して下さいね。