医療コラム

息苦しい

町広報「まつまえ」18年9月号掲載

今回は息苦しいことについて。
息苦しくなること、ありませんか? いろんな息苦しさがあるんですよ。
畑に行く上り坂でいつも決まって息苦しくなる方。きっと身体の中に充分酸素を取り込むことができていないのです。喫煙と関係のあることが多いんです。とてもよい吸入の薬があります。抗コリン剤といいます。これを吸うとたいていの方が息苦しさが楽になったとおっしゃるんですよ。是非内科外来で一言おっしゃってみて下さい。

大して身体を動かしてもいないのに、突然息苦しくなるようなことが時々起こる方、いらっしゃいませんか? あるいはスーパーやデパートに行くたびに苦しくなってしまう方。苦しくなるのがいやで出かけるのがおっくうになっていたりします。これは不安感が突然襲う発作です。「パニック発作」などといいます。これは気持ちが安らぐ薬を飲んでいただいたり、予防する薬を飲んでいただいたりするとかなりよくなるんですよ。人知れずお悩みの方がたくさんおられるはず。お待ちしております。

息苦しくなる原因には「貧血」もあります。といいましても、これは気が遠くなって気絶する貧血のことではなくて、「血が薄い」という貧血です(医学では通常こっちのほうを貧血といいます)。立ちくらみのする方や息切れがする方で、最近人から「アンタ、最近顔が蒼いんじゃないの?」といわれている方。貧血があるのかもしれませんよ。いろんな種類の貧血があるので一概にはいえないのですが、どこかから出血していることによって貧血になっているのであれば、鉄分の入った薬をお飲みいただくとみるみるうちに楽になります!
鉄分の多い食べ物を食べるぐらいではなかなかよくはならないんですよ。鉄不足の貧血の方の中には、月経(=「生理」)が多めの方で、「しゃーない」とあきらめておられる方も多いですねぇ。一方、どこにも出血していないはずなのに貧血の方。原因を突きとめてもらった方がいいですよ。ご相談下さい。

余談ですが、月経の量が多くて困っている方はトラネキサム酸という薬を月経の時期に数日飲むとかなり量が減ることが知られています。副作用はほとんどありませんから、試す価値があるかもしれませんね。
ではまた!

院長 木村 眞司