医療コラム

味がわからない、においがしない

町広報「まつまえ」21年7月号掲載

 皆さんこんにちは! お元気でいらっしゃいますか? 私はますます元気です。え? 医者の不養生だ、ですって? うーん、そうかもしれませんねぇ・・。気をつけます・・。
畑の方はいかがですか? もうそろそろミニトマトの実は成り始めていますでしょうか。私のはまだ小さいです。今年は二本しかつけませんでした。

さて、今回はにおいや味がよくわからないという方のお話。

木村 「唐津さん、お待たせしましたぁ。調子、いかがですか。」
唐津 「いいってばいい、悪いってば悪い。」
木村 「まあまあってことですかナ。」
唐津 「んだ。(一呼吸おいて) 先生、オレ、最近食欲ねくって困ってまる(困ってしまう)。」
木村 「あー、そうですか。どうしたんでしょうね??」
唐津 「どうしたもこうしたも、食べるもの全然味しねぇんだ。食べても、うめぐねくって食べる気しねぇんだ。
    うちのババだら、け、け(食え食え)、ってしゃべるんだども。」
木村 「困っちゃいましたね。他にも何かお困りのことはありますか?」
唐津 「(ハックション、ハックション、ハックションとくしゃみ三連発のあと、ズズーと鼻をすする)ねぇナ。」
木村 「・・・。鼻水は出ますか?」
唐津 「でねぇ(といったあとズズーと鼻をすする)。」
木村 「・・・。鼻はかゆいですか?」
唐津 「かゆくねぇ(といったあと鼻に手をやる)。」
木村 「・・・。ちょっと鼻の中を拝見しましょう。唐津さん、鼻の中が腫れていますね。
    それにくしゃみも連発しておられるし鼻にも自然に手が行っているようなので、『アレルギー性鼻炎』があると思いますよ。
    そのせいでにおいがわからないので味もしないんですよ。」
唐津 「んだか。なにかいい薬出してけれ。」
木村 「わかりました。飲み薬と鼻のスプレーをお出ししておきますね。」
唐津 「先生、アンタも鼻水出てらぞ。」
木村 「・・・。」

 味の大半はにおい、香りから来るとされています。一方、アレルギー性鼻炎や風邪で鼻の中が影響を受けると、においを感じにくくなり、結果として味を感じにくくなります。
思い当たる方は松前病院の内科や外科、耳鼻科におかかり下さいネ。

ではまた。

院長 木村 眞司