医療コラム

「全科診療医(何でも科の医師)」の認知度はいかに?

町広報「まつまえ」20年11月号掲載

皆さんこんにちは。町立松前病院の八木田です。
今回より新たに「診察室から情報発信」と題しまして、日頃の診療において診察室で感じたこと・気づいたことを基に皆さんへ情報発信していきたいと思います。

今回は「全科診療医(何でも科の医師)」についてです。今年度4月より「全科診療医」「何でも科の医師」として診療させて頂いて半年が経過致しましたが、残念ながらまだ十分には浸透していない印象がありますので少しご説明致します。

以前に、町広報「まつまえ」5月号掲載の病院だよりの中で木村院長が『「何でも科」の医者は、心の問題から身体の問題まで、対応できるものには何でも対応する、自分の力量を超えるものについては、専門医にご紹介したり専門医と協力したりしながら治療にあたる医師、別名「家庭医」「総合医」「全科診療医」』と説明しております。
実際、「全科診療医(何でも科の医師)」とは?と尋ねられた場合、私は「皆さんの健康問題全般に責任を持って対応する医師」というように説明しています。そうしますと「スーパードクターなのか」とおっしゃる方、また「何でも診れる医者というのは逆に非常に怪しいのではないか」というご意見もございました。しかし、この場合の「責任を持って対応する」というのは、「何でも診断できる・治療できる=完結する」という意味合いではなく、「患者さんのさまざまな訴えに対して、まず診察をして適切にマネジメントする」という方が的確だと思います。その医師の臨床能力や判断に要する検査機器の限界がありますので、診察して必ずしも診断が確定して治療できるとは限りませんが、緊急性、入院の必要性、専門医への紹介の必要性などについて判断して適切な対応をするという役割を担うことになります。
これからも住民の皆さんの心身の健康問題の窓口としてご安心頂けるヘルスケアサービスを提供して参りたいと考えておりますので、健康問題に関して何かございましたら病院の方までご相談下さい。

副院長 八木田 一雄