医療コラム

「もう年のせいだから・・・」とは口にしないようにしましょう

町広報「まつまえ」20年10月号掲載

皆さんこんにちは。町立松前病院の八木田です。今回で5回目となりますが、「病院へのかかり方マニュアル」(その5)と題しまして、また少し述べさせて頂きます。

この4月より町立病院で診療させて頂いておりますが、診察室でのお話の中で「もう年のせいだから治らないよ」「もう年だから仕方ない」という言葉をよく耳にします。中には、ある意味自分に言い聞かせるように話されている患者さんもおられるという印象があります。
確かに、加齢に伴う病気やそれに伴う症状というものもありますし、どのような病気も年齢と全く関係がないわけではありませんが、このように不意に先手を打たれてしまいますと診察する側と致しましては非常に返答に困ってしまいますし、初めの段階からそれを言われてしまいますとなかなか次に話を進めることができませんので、少なくとも私自身は口にしないようにしています。仮に「そうですね、もう年ですからね・・・」などと肯定的に言われますと、そのことによって自分自身を納得させることができる部分もあるかもしれませんが、あまり喜ばしい気持ちにはなれないことと思います。
反対に医師の方から「それは年のせいだから治らないよ」ときっぱりと断言されたというお話も数多く伺いますが、たとえそのような場合であっても症状を緩和するための様々な治療法や対処法があると思いますので、決して初めから「もう年のせいだから・・・」ということを口にすることなく少しでも前向きにご相談頂きたいと思います。
実際、患者さんの年齢に関係なく病院を受診しても全ての問題がすぐに解決されることばかりとは限らないのが現状ですが、その場合にはお困りの問題を解決していく最適な方法を一緒に考えていければと思っております。

これまで計5回述べさせて頂きました「病院へのかかり方マニュアル」は今回で終了となります。次回からはまた別のテーマで述べさせて頂きますので引き続き宜しくお願い致します。

副院長 八木田 一雄