かかりつけ医とは?病診連携とは?
皆さんこんにちは。町立松前病院の八木田です。前回に引き続き「診察室から情報発信」(その3)と題しまして、また少し述べさせて頂きます。
今回は「かかりつけ医」と「病診連携」についてです。皆さんも一度は耳にしたことがおありかと思いますが、まず「かかりつけ医」とは、一般的には特定の疾患の専門医ではなく、日頃から患者さんご自身やご家族の病歴や健康状態を把握して診療や健康管理上のアドバイスをする身近な医師のことを指します。このかかりつけ医を持つことで、普段の健康状態やこれまでの病歴をきちんと把握しているので適切な治療が受けられますし、急に体調が悪くなっても安心して診察を受けることができるという利点があります。そして、対応が困難な場合や高度な検査が必要な場合には対応可能な病院へ紹介致しますし、また、予防医学の観点からも重要な役割を果たすことになります。
次に「病診連携」とは、一般的には地域医療などにおいて中核となる病院とその地域の診療所がおこなう連携のことを指します。必要に応じて患者さんを診療所から専門医や医療設備の整った病院に紹介して高度な検査や治療が行われ、その後病状が安定して外来通院が可能になってから再びかかりつけ医が診察にあたるといった、病院と診療所(かかりつけ医)が患者さんの症状に応じて役割や機能を分担しながら診療にあたる仕組みです。
これら2つは、まさに現在の町立病院の果たすべき役割であると思われます。常勤医師が町民の皆さんの「かかりつけ医」となって、診察と検査結果を踏まえて当院で対応が可能な場合はこちらの病院で、そして、当院での対応が難しい場合や専門的な高度な検査や治療が必要である場合には専門病院や中核病院へ紹介をする「病診連携」を行うことになります。これからも患者さんの安心と納得が感じられる医療を提供するために、この「病診連携」を意識して適切に実践することのできる「かかりつけ医」としての役割を担っていければと考えています。