医療コラム

禁煙への道 その1

町広報「まつまえ」19年3月号掲載

今回から喫煙・禁煙について書かせていただきます。

タバコは身体によいのでしょうか? 「一服すると気分が落ち着く」とはよく聞きますよね。本当でしょうか? 実際には、喫煙により身体に入るニコチンに身体と脳ミソが慣れてしまい、そのニコチンが切れるときに脳ミソがニコチンを欲しがり、イライラするんです。タバコを吸うとそのような「禁断症状」がやわらぐので、「気持ちが落ち着いた」となるわけ。

タバコはいろんな病気の元です。
(1)心筋梗塞
(2)脳梗塞
(3)さまざまな癌
(4)肺の病気(特に肺気腫・慢性気管支炎)
(5)脚の動脈が細くなる病気、などなど。

心筋梗塞というのは心臓の筋肉に行く血管の詰まる病気。脳梗塞は脳ミソに行く血管が詰まる病気。肺気腫というのは坂道を歩いたりすると息切れがする病気です。タバコと糖尿病の組み合わせは特に健康に悪く、ますます(1)(2)(5)になりやすくなるんですよ。タバコはぜんそくの方にもよくありませんネ! さらに、タバコはダミ声・しわ・「タバコ顔」の元になります。一方、タバコをやめることによって、(1)から(5)までの悪いことはかなり起こりにくくなります。健康であり続けるために是非タバコをやめてみませんか?

お待たせしました! 病院ではいよいよ4月から『禁煙外来』を開始します! これは、「タバコをやめるゼ!」と決意された方のお手伝いをさせていただく禁煙応援団です。禁煙外来では、イライラなどの「禁断症状」を抑える「ニコチンの貼り薬」を健康保険の範囲内で(=タバコ代よりも安く)お出しすることができます(本来なら1枚420円!)。そのほか、タバコをやめるに当たっての助言もさせていただきます。禁煙外来にかかる方は、定期的に通院していただくことになります。初回、2週目、4週目、8週目、12週目の計5回です。これを機会にやめてみようという方、是非お問い合わせ下さい。禁煙外来は予約制です。健康保険が効くには一定の条件があります。詳しくはこちらを御覧下さい。

禁煙外来の開始に伴い、4月1日から病院敷地内は全面禁煙になります。タバコを吸う方々にはご不自由をおかけしますが、健康のため禁煙に挑戦する方々を積極的に支援していくためのことですので、ご理解願います。

次回からはからタバコのやめ方などのお話。では!

院長 木村 眞司