医療コラム

かぜの咳が続く

町広報「まつまえ」19年2月号掲載

今回は最も身近な病気、かぜについてお話ししましょう。
かぜを引くと鼻水、咳、熱、だるさ、のどの痛みや頭痛などが起こりますよね。かぜはさまざまなウイルスによって起こります。からだはウイルスをやっつけようと頑張ります。その頑張りの現れの一つが熱です。熱はウイルス退治に役立っているのかもしれず、最近の医学では必ずしも下げる必要はないといわれているんですよ。ただ、熱で気分が悪いことも多いので熱冷ましを使うのももちろんよいということになっています。

かぜはたいてい数日で治ります。からだがウイルスをやっつけるからです。ただ、1週間くらい経っても咳が続くことがあります。なぜでしょう?
普通、咳はのどの奥にある声帯付近に絡みついたねばっこい液(粘液)を払いのけるために自然と出るものです。その粘液というのは、鼻水が鼻の後ろからのどに下がってきたものであったり、またのどの付近からじわーりと出てくるものであったりします。かぜが治ってくると粘液も減ってくるので咳も軽くなってきます。

咳が続く主な原因としては、
(ア)ウイルスが死んだあとでも鼻炎が続いてしまい、鼻水などの粘液がのどに落ち続けることや、
(イ)粘液が声帯を通り過ぎて気管やその奥(気管支という)に入って「炎症」を起こしてしまうことなどが挙げられます。

後者ではぜーぜーします。
どうしたらよいのでしょう? 咳を止めるのに一番大切なのは、のどにたまる鼻水などの粘液を減らすことです。一番よいのは鼻水止め。咳止め自体はあまり咳には効きません。また、仰向けに寝るよりは横向きに寝た方が、のどに落ちてくる鼻水が少なくて、咳は少なくなるようですネ。また、鼻のスプレーを使うと鼻炎が早く治まり、咳も早く治ります(ステロイドという薬が少量入ったもの)。
ぜーぜーする人や気管の中でごろごろと痰が絡む人には、ステロイド吸入薬が効果的です。炎症を抑えることによって早く咳が治まります。  困っておられる方、是非松前病院にいらしてみて下さい。