医療コラム

診療室実況中継

町広報「まつまえ」19年9月号掲載

皆さんお元気ですか? 今年は雨が降らなかったり降りすぎたりと散々な天候ですが、畑の方はいかがでしょうか。私の畑は、イモもピーマンもシシトウも黒モチキミ[黒モチトウモロコシ]も好調です! ナスはテントウムシにやられました・・・。黒モチキミって素朴な味で美味しいんですよ。

診察室の中では実はいろいろなことが行われています。実況中継してみましょう。

▼患者様① 「薬なくなったから来た」「はい、血圧を測りましょう。120の80ですね。はい、お薬お出ししておきますよー。お大事に。」 (こんなふうに終わるのは10人に1人もいらっしゃいません)

▼4人分の薬を処方(薬だけの患者様の分)

▼患者様② 「いかがですか」「変わりないよ」・・・・最後に「お大事に」といったあとで、「先生、最近脚が前に出なくなったんだよね」といってそれから10分間かかる・・・。

▼患者様③ 「健診の結果持ってきました」 そのあと検査してみたら前から糖尿病があり、ほったらかしだったことが露呈し、説明に10分。

▼5人分の薬を処方(薬だけの患者様の分)

▼患者様④ 「先生、『介護保険の人』(ケアマネージャーさんのこと)に書類があるから行きなさいっていわれたから来ましたぁ」というわけで介護保険の「主治医意見書」記入に5分。中には初対面を書かねばならぬときなどは、診察時間が全部で20分かかったり。

▼患者様⑤ 「先生、この口乾くのなんとかならんべか」(これをいうのは、この方は25回目) 「あのねぇ、○×さん、それ、薬の副作用なんですよ。その薬、○×さんがやめたくないっておっしゃる薬だから仕方がないんです」 「でもなんとかならないのか」・・・・ということで10分。

▼6人分の薬を処方(薬だけの患者様の分)

▼患者様⑥ 「先生、最近畑サ歩くと胸がビンと押されたインタ感じがするんだ」 この方は「不安定狭心症」といって至急、カテーテル検査が必要。心電図を取って紹介状を書いて、函館の病院にファックスをして診察の予約を取って、20分。

▼患者様⑦ 「先生、今度埼玉の息子のとこサ行くことになった。紹介状書いてけれ。今日ほしいんだ。明日引っ越しだ。」 ということで紹介状書きに10分。

▼4人分の薬を処方(薬だけの患者様の分)

▼院内電話が鳴る。病棟の看護師から。「院長、さっき入院した方の血圧が下がっています」「ゔ・・・」

▼患者様⑨ 「先生、広報、毎回楽しみにしています」「(木村、にっこり)」「先生も大変ですね」「ありがとうございます(涙ぐむ)」

▼患者様⑩ 「いやー待った待った。先生、この腰痛いのなんとかならないべか。先生、それからこの冷えるのも何とかならないべか。先生、なんで朝こんなに具合悪いんだべ。先生、具合悪い。」 なかなか御納得いただけず、10分。

▼患者様⑪ 「先生、あの白い薬、いらねえわ」「あの白い薬ってどの薬ですかぁ?」「ほれ、この間くれたべさ」「その薬の名前、わかります?」「わかんね」「その薬持っていらっしゃいました?」「いや、全部飲んでまった」「薬の説明の紙、持ってきました?」「持って来ねぇ」「なんの薬です?」「わかんね。白いちっちゃこい薬だぁ」「薬はみーんなちっちゃくて白いんです!!(ここで木村の推定血圧250/130)」

・・・というわけ。現実にはもっとスゴイんですよ。なのでなかなか予約時間どおりには行かないのですが、ご理解を賜りますよう・・・。
では、今月もよい月でありますように!。

院長 木村 眞司