医療コラム

冬だからこそ、早めの受診を

町広報「まつまえ」25年1月号掲載

みなさん明けましておめでとうございます。松前病院の吉野です。昨年中は皆様方の様々なご協力を頂き、心より御礼申し上げます。職員一同、今年も地元で安心な医療を提供できるよう、24時間365日全力投球して参ります。
さて、いよいよ冬も本格的になり、一年を通して最も厳しい時期となりました。私も初めて松前での冬を迎えたときは、吹雪の激しさに驚いたものです。

吹雪が猛威を奮うのと同様に、この冬の季節に猛威を奮う病気は多々あります。インフルエンザ・肺炎をはじめとした呼吸器の病気、心筋梗塞や脳梗塞などの心臓・脳の血管の病気、ウイルス性胃腸炎などなど、この季節には様々な病気が急増する印象があります。もちろんあらゆる病気がそうなのですが、ここに挙げた病気は特に「早期受診・早期治療」が重要であると考えています。

 例えば、インフルエンザの治療薬は発症してから48時間以内に開始しないと十分な効果が得られません。心筋梗塞や脳梗塞に到っては、発症してから治療を開始しるまでのそれこそ一分一秒がその後の病状に大きな影響を及ぼします。肺炎にしても、早期であれば短期間の治療ですっかり良くなるはずだったものが、治療が遅れて重症化してしまったり命とりになることも多々あります。

 冬は体調を崩しやすく様々な病気が増える一方、気候や交通手段の関係で雪のない季節より受診が遅くなってしまいがちです。また、重い病気であっても人によっては症状がはっきりしない場合もあります。大したことない、と我慢していたら実は大病で危ないところだった、というのは我々もよく経験するところです。

 この時期、病院を受診するのは大変かも知れません。ですが、この時期だからこそ、体調の変化を感じられたらできるだけ早めに、病気が重くなってしまう前に受診して頂きたいと思います。

 もちろん、検査態勢が整っている日中の外来を受診頂くのが一番なのですが、夜間の急な症状がありましたら遠慮なく早めに受診して下さい。「これくらいの事で…」と受診を躊躇われる方もいらっしゃると思いますが、お気になさらずに。重症の方を治療することも、軽症の方を早期から治療して早く元気になってもらうことも、我々の大切な仕事なのです。

内科部長 吉野 光晴