医療コラム

物忘れ その1

町広報「まつまえ」18年10月号掲載

今回は記憶や物忘れについて。
記憶にも短いものから長いものまでいろいろあります。電話をかけるときに「えーと、町立病院は42の2515、2515、・・・」といいながらかけるわけですが、それは超短期記憶。かけ終わったら忘れてしまいますね。
一方、「今週金曜までに支払いをしなくっちゃ」というふうに短期間覚えているのが短期記憶。

対して、
「おととしの台風18号ではミニトマトが全部やられたなぁ」
「信子ちゃんはかわいかった(けど俺には目もくれなかった)ナァ」
などと長年にわたって覚えているのが長期記憶です。

もう一つ記憶で大切なのは、「覚え込むこと」と「思い出すこと」の二つの要素から成っているということです。皆さんも覚えたことが試験の時に思い出せずに悔しい思いをしたこと、おありですよね!
私たちの記憶は20代から衰えていきます。私は記憶力がよいほうではないのですが、それでも高校までは今に比べれば覚え込むことも思い出すこともよほどマシでした。20代前半から新しいことを覚えるのにもより多くの努力を要するようになりました。また、思い出す力が落ちてきました。「えーと、あの人の名前なんていったっけナ、あの長い白髪の・・・」「山上さんですか?」「あ、そうそう、山上雪之丞さん。」のような会話が増えたわけです。覚え込むことはできても、きっかけがないと思い出せないんですネ。齢【よわい】を重ねるにつれ、このようなことが増えていくわけです。個人差はかなり大きいですけどネ。

では、何が正常で何が異常なのでしょうか。日付や曜日がわからないのは普通なのでしょうか? 昔のことを思い出せるからボケてはいないのでしょうか? 興味がないからといって首相の名前を知らないものなのでしょうか? 普通に運転できるから大丈夫なのでしょうか? 次回はそこらへんのところをお話ししますね。

院長 木村 眞司
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